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道の先…

第5章 変化

先生が学校に戻ってきたのはそれから約1週間後のことだった。

いつも遅刻ぎりぎりのわたしは、その日もチャイムが鳴る直前に教室に駆け込む。

扉を開くと、教壇に立っていたのはいくらか痩せた内田先生だった。

あまりに痩せていて、わたしはすぐに声が出なかった。

チャイムが鳴り朝のホームルーム。ただ立って挨拶をするだけなのに、クラスのみんな全員変に緊張していた。

「あのさ…ありがとな。」

挨拶が終わった後、先生は弱々しい声でそう言った。

いつもは騒いでいる私たちも、今日はじっと先生の言葉を聞いていた。

「とりあえず、帰りのホームルームに色々言うわ。」

そう言って、朝のホームルームはとりあえず終わった。

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