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道の先…

第9章 嫉妬と葛藤

夏休みは特に何もなかった。

わたしは受験生だからそれなりに勉強してたし、

先生は部活動や委員会の顧問でそれなりに忙しかった。

だから、夏休み最終週にある世界史の補習が楽しみだった。

2日間しかないが、そこで2時間先生の授業が聞けるのだ。

まだまだ先のことだから、とても待ち焦がれていた。

でも、その補習も、夏休みが明けても、特に何もなかった。

週3日、5時間の授業と毎日のホームルーム。

そこだけでしか先生との会話が出来るチャンスはなかった。

阿南まゆは有名大学の指定校をとったらしく、毎日のように先生のところへ推薦文を出しに行っていた。

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