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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第14章 嵐の夜【和也】

窓がガタガタ震える。

風の音がビュービューうるさい。

台風が来てるんだ。

街中が身をひそめて、台風が行き過ぎるのをじっと待っている。

スマホが鳴った。

着信は相葉さんからだ。

「何さ。」

『ニノ、台風大丈夫?』

何でアンタはそんなタイミングよくかけてくるのさ。

「家にいますから、何ともないですけど?」

『そう?じゃあよかった!』

「ワタシ子供じゃないんですから、台風くらいで電話してこないでくださいよ。」

『ごめん、ごめん!それだけだから、じゃあ!』

電話が切れた。

俺はカーテンを開けた。

相葉さんからの電話の直前、俺も相葉さんのこと思い出してた。

この台風で停電でもしたら、あの高層マンション悲惨だなって。

土砂降りの雨が窓ガラスをたたく。

今の今まで、ひとりで大丈夫だったんですよ。

なのに、電話なんて掛けてくるから。

向こうの空に雷鳴がとどろく。

中途半端に優しくすんなや。

黒い空を稲妻が切り裂く。

俺は稲妻をずっと眺めてた。

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