テキストサイズ

凍夜

第3章 花


「ユキは、俺だけじゃなかったから、一度も抱いたことがないんだ……。」


私は一瞬言葉を失なった。

マサシは、まっすぐ前を見据えている。

《まさか、そんなこと……。》

ユキの嘘がバレていたってことなのか。

私は、気をとりなおすと言った。

「何それ?マサシだけに決まってんじゃん。」

マサシは、髪をかきあげると、ふっと笑った。

相変わらず前だけ見つめたままで。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ