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ネムリヒメ.

第8章 雨.





「腰…浮かして…」

「んっ…」


無意識に彼の言われる通りに動くカラダ


「イイコだ…」


ご褒美と言わんばかりに彼の唇が首筋に触れる

チュッ…チュッ…と音をたててキスを落とされ


「ん…はぁ…っ」


自然と唇から漏れるのは甘い声


ダメ…だとか、待って…とかいう言葉は、出したいのに白く濁された頭のなかのどこへ行ってしまったのか出てこない


「千隼…こっち向いて」


腰をなでる手とは逆の手で頬に触れる彼

虚ろな表情のまま彼を見つめると、アタシの腰を引き寄せた手の爪で線を描くように指を動かす


「ん…やぁ…んん…」


カラダがビクリと震えて、彼の目を見たまま眉根を寄せた


「…いい顔」


目の前で少し掠れた声がしたと思ったら、彼の唇がアタシ唇にそっと触れる

それは優しく包み込むようなキスで角度を変えて、何度も何度も唇づけられる


まるで、大切に、愛おしむように撫でられるような感覚にうっとりと瞳を閉じた





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