テキストサイズ

ネムリヒメ.

第12章 アイスクリームシンドローム.






『聖………』


っ!!!


扉の外から聞こえる低い声…


そんなの…誰の声かなんてすぐにわかった


「………」


聖くんもアタシを抱いたまま扉を見つめピタリと動きを止める



「…渚…くん!?」



そして聖くんが声の主の名前をゆっくりとはっきり口にする


「っ!!!」


わかっていたけれど、聖くんが口にした名前に頭を鈍器で殴られたような感覚に陥った


…頭のなかが真っ黒になる


"午後にはいったん戻るから…"

そう言って出掛けていった彼の姿が目の前に浮かんだ


…見られたくない


咄嗟に浮かぶそんな想い


それは当たり前のことであると同時に、なにか別な意味も混ざっているようなモヤモヤする複雑な想いだった

でもそのモヤモヤがなんなのか自分ではわからない


しかし、とにかくここに彼が入ってくるのは避けたい

その結論には違いはなくて、慌てて聖くんの顔を見る


しかし、聖くんの顔は雅くんが訪れたとき同様、落ち着いている表情だった


「…………」



聖くん、なに考えてるの!?


彼の表情に言葉が出なかった






ストーリーメニュー

TOPTOPへ