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ネムリヒメ.

第13章 シャンパン☆ストロベリー.






……で、どこに向かってるかっていうと


「んー、見えてきた!!」


甘酸っぱい高級イチゴを贅沢にも抱えて頬張りながら、少しはしゃいだアタシの声が海沿いの風に流れるように消える

キラキラと輝く目的地を横目にアタシは葵くんの口に、もうひとつイチゴを放り込んだ


そう、アタシたちの向かっている先は海!!


しかも、海は海でも "冒険とイマジネーションの海" という名の海で…

目的地…それは日本で最も有名な海をモチーフにしたあのテーマパークだった


「ちーちゃん楽しそう、よかった」

「うん、だってすごく久し振りだから、楽しみっ」


前にきたのはいつだっけ…忘れたけど、とにかくこの場所にデートに誘われて女の子なら嫌という人はいないと思う

ましてや相手は葵くんだ

テンション上がりっぱなしのアタシの頭のなかは、すでに夢と魔法の国のようになっていた


「ねぇでも、食事って!?」


遊びに行こう♪じゃなくて、食事と言われて連れてこられたアタシ


「うん、ここ♪ 着いたよー」


満面の笑みを浮かべながら、彼が車を止めたのはパーク内にあるホテルの駐車場

彼は子供のようにはしゃぐアタシを車からひょいと抱えて下ろす

うわっ!!

カラダが浮いて初めて抱っこされているコトに気がついて顔に熱が集まる

ヤバい…恥ずかしい



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