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ネムリヒメ.

第18章 不機嫌な Navy Blue.






…と、


「…………!!」


に、睨まれてる!?


「おら、急に止まんじゃねぇよ」

「わっ!!」


と、止まってたのか、アタシ…

しっかり、しっかりしてーっ…!!


すると、


「おい…」


立ち止まっているアタシに雅くんが眉を寄せながら歩み寄ってきた


ご、ごめんなさいっ!!

だからそんな……っ

怒らないでー!!


「っ…………!!」


しかし、彼はアタシのすぐ側までくると、鋭く射るような視線で上から下まで一通りざっと眺めるだけで

カラダを強ばらせ、ピクリともしないアタシに表情を崩さずに彼は口を開く


「ん、わかった…ついてこい」

「へ………!?」


彼の言葉に一気に力が抜けて間の抜けた声がでる


しかし、雅くんはアタシに目もくれず、ポケットに手を突っ込むと踵を返して歩きだした

な…んだったの!?

ポカンと立ち尽くすアタシ


すると、少し先を歩く雅くんの方から黄色い悲鳴が聞こえてきてハッとした

見れば彼のまわりには遠目からキラキラ視線を送りまくる女性の姿がわんさか見て取れ、なかには話しかけようとそわそわする人さえいるようだった

雅くんって…有名な人!?

そんなコトを思わせるような光景に首を傾げる

でもまぁ、有名人だろうがなかろうが、あの容姿じゃそうなるよね


彼の近寄るなオーラ全開のせいで微妙な距離感で人に囲まれているけれど、そんなことは気にも留めず雅くんは颯爽とフロアを歩いていく



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