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ネムリヒメ.

第19章 記憶の中の摩天楼.





「へぇ……」


そこで鋭い瞳で含みのある笑みを浮かべる渚くんに


「あはっ、やっぱり海に沈めた方が良さそう!?」


笑顔のままなんだか恐ろしいコトを言い始める聖くん


…って、ちょっと待って

ホンっトに誰が助けて


「それに、みっくん…」

「ん…っ」


っ─────!!

その前に、葵くんは耳元で話さないで!!


「…なんだよ、まだあんのかよ」


目の前の雅くんはもちろん不機嫌極まりない様子で、

アタシはといえば、ものすごく近い距離から葵くんの甘い声に鼓膜を揺らされ


「っ……」


さらには胸元に置かれた彼の綺麗な指で悪戯に鎖骨を撫でられ、鳥肌をたてている


すると


「鎖骨……が出てない」

「あ゛……!?」


は……い…!?

理解不能な葵くんの不満らしき言葉


「葵…日本語話せ」


それには黙っていた渚くんも首を傾げる


「オレ、ちーちゃんの鎖骨好きなの」

「あっそ」

「だから、このみっくんのドレスのチョイスは不満ー」

「はあ!? …おい!!喧嘩うってんのか、葵」


って、ぇえっ……!!?

不満って、そんなの知るかぁ!!


そしてそして、喧嘩腰に立ち上がる雅くんをよそにこっちのふたりはふたりで…


「えー、葵くん鎖骨フェチだったのー!? 渚くんの噛み痕付きの?」

「………!!」


ヘラリと笑う聖くんに、ニヤリと葵くんに向かって口角をあげる渚くん

待て待て待てぃ、煽ってどうするのっ!?


付いてるけどっ、付いてるけどね……恥ずかしいからやめてっ!!



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