テキストサイズ

ネムリヒメ.

第19章 記憶の中の摩天楼.






アタシは、ただひとり落ち着いてため息をつく渚くんに、行きと帰りに雅くんとプールに立ち寄ったことを告げる

ついでに、ピンクレモネードにさくらんぼが浮かんでないと苦情述べてみたけれど…


「…ないな」


うん、あっさり脚下された

無念…


そんなところで


「もういい、話はあとだな…行こうか、千隼」

「ぅえ!?」


ギャーギャー騒ぎ合う3人をよそに、渚くんが突然立ち上がってアタシの手を引いた


「千隼はこれからオレとデートな、ここんなか案内するから付き合えよ」

「は…ええ!?」

「じゃあそっち頼むわ」

「あはっ、オッケー♪」


渚くんは聖くんに声をかけると彼と意味深な笑顔を交わしてから、アタシを外へとスマートに施す


一方、残った葵くんたちはというと


「じゃあ みっくんはオレたちとカジノでデートだね」

「はあ!? オレ行かねえし」

「あはっ♪お前の記憶はオレがこれからじっくりと引き出してやるんだから…行くよ、雅♪」

「っ、ふざけんな」

「「じゃあ、海行く!?」」

「…………!!」


拒否する雅くんだけど、どうやら葵くんと聖くんに引きずられ、しかたなく部屋から連れ出される模様で…


あはっ、じゃあねぇ♪

と、手を振る聖くんたちと部屋の前で別れ渚くんとエレベーターに乗り込むと、久しぶりに訪れる静寂にホッと息を吐き出した


「疲れたろ…」

「ん、ちょっと…」

「胸貸してやろっか」

「なにそれ…意味わかんない」


はい、意味不明




ストーリーメニュー

TOPTOPへ