
ネムリヒメ.
第21章 あの夜の王子様.
目の前にさらされた美しい肢体
シャンデリアの光を背に、作り出された筋肉の陰影に息を飲む
熱を持ち、甘い香りを放つ彼の素肌にアタシの瞳は再び奪われ釘付けにされた
「ちぃ…」
重ねられた手を引き寄せられ、押し付けられた素肌から雅くんの熱を感じる
そして彼はそのまま腕を引き、アタシを抱き起こすと腕のなかにギュッと閉じ込めた
雅くんの匂いと熱い素肌に包まれ、聞こえてくる彼の少し速い鼓動に、アタシの胸もドキンと大きく鳴る
─お願い…誰か…
残された僅かな理性の悲鳴を
─アタシ…このまま…
かき消すように浸食していくそんな想い…
背中を滑り落ちる彼の指先を感じながら、このまま素直に身を委ねてしまおうか…
彼に与えられ、もたらされた快楽が渦を巻いてアタシを飲み込もうとしている
「みや…び…く……アタ…シ……」
「……」
切なげに彼の名前を紡いだか細い声は、唇をなぞる指先に絡めとられ、次の瞬間には重なる唇のなかへ消えていく
そして、背中に回された手に下着のホックを外される感覚にハッとしたのも束の間…
「っ……!!」
再び押し倒され、緩んだ胸元に彼の手が侵入した
「んっ…あぁ……ん…やっ、あッ…」
こぼれる胸をゆっくりと撫でられ、温かい息と、濡れた舌がねっとりと胸の先端を舐る
太ももを撫で上げ、這わされる指が脚の間を出入りすれば、
雅くんの綺麗な指が肌を滑る感覚に息を乱され、タガが外れたように溢れだす甘い声
まさにそれは、逃れようもない快楽に囚われたカラダがあげる甘美な旋律のように耳に届く
