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ネムリヒメ.

第22章 あの夜の…….






………………




「は…ぁ……はぁ……ッ…」



暗くて



怖い…



息が苦しくて



怖い…



カラダ動かなくて



怖い…





助けて、


怖い………っ!!












「イヤっ………!!」










ゾクッと背中を走り抜ける戦慄と全身を蝕むような不安から逃げるように目が覚めた


こんな感覚は久しぶりだった


ひとりで眠るのが怖くて、誰かの腕のなかで眠りに落ちて誰かの腕のなかで目覚める

それがいつのか間にか当たり前になっていて

目覚めればいつも誰が隣にいて、温かい腕がアタシを抱き締めてくれる


触れ合う素肌から伝わってくる体温が安心と安らぎをくれるから、

夜の闇を蝕むような得体の知れない不安にうなされることはしばらくなかった




だけど今は…


「はぁ…はぁ……」


額に滲んだ冷や汗に髪が張り付く

乱れた呼吸の息苦しさに瞳に涙が滲む


─怖い夢を見た…


暗闇で誰かに囚われて追い詰められる夢

呼吸もカラダの自由も奪われて闇に堕とされる怖い夢

叫んでも、もがいても

その声は誰にも届かない

アタシの声は誰も届かない


…そんな夢だった







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