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ネムリヒメ.

第25章 Black Emperor.






「だから…アタシ…っ!」


望に知らされた事実に言葉を詰まらせる若葉ちゃん

でも、彼女が知ってるのはここまでだ

郁くんが若葉ちゃんにあれを持たせた意味も、実際に何をしているのかも、この先のことはなにも知らなかったはず

じゃなきゃ、彼女が安易に悪用しようなんて思わないだろう


まぁ、でもどっちにしろ…


「…可哀想な若葉ちゃん♪」


それ以上の言葉が有ろうが無かろうが紛れもない事実は事実


「せっかく信用してたのに、郁くんからはよっぽど信用ないんだね♪………ざまぁ…」



まぁ…恐い望はおいといて

結局どういうコトかっていうと、そういうコトなんだけど、取り敢えずここで謝罪事項がひとつ


─ゴメンね。オレ、ウソついちゃった♪


望が言った通りなんだけど、

若葉ちゃんが持ってた鍵はそもそも渚くんの貴重品でもなんでもなくて…

ましてや、ちーちゃんの手錠の鍵でもなんでもない


散々ちーちゃんの鍵って言ってたろ!!

だったら何なの!!って、

それはもちろんニセモノで、郁くんが用意したなんでもないただの鍵だ

それをオレは、ここにくる前から全部知ってた…


ゴメンね

でも、敵を欺くなら味方からって言うじゃん♪




…以上。





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