テキストサイズ

未知夢

第12章 好機

『ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ』


 イラつくような目覚まし時計の音が鳴る。


 繁はその目覚まし時計を寝ながら鷲掴みにすると、勢いよく壁に放り投げた。


『ガシャーーン!!』


「ん……ZZZzzz……」


 それはまるで、何事も無かったかのように……。




 2時間後ーー




 繁はゆっくりと目覚める。


「んっ……フッゥワ〜〜」


 大きなあくびと共に体を伸ばす。


 そして、粉砕された目覚まし時計の姿を目にする。


「また、目覚ましが破壊されている……だから曰く付き物件は嫌なんだ」


 こいつは何を言っているのだろう……。


 過去にいくつも破壊しているのに、いまだに自分がやったことに気が付いていない。


 繁はそのまま壁に持たれて座り込み、ボォーーッと何も映ってないテレビを眺めていた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ