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未知夢

第13章 真相

 繁は赤い石を握りしめ、二人を後目にその場から立ち去ろうとした。


「待ってくれ」


 隆夫が呼び止める。


 振り返る繁に、隆夫はボストンバッグを抱えて近寄った。


「あんたにもうひとつ言っておきたいことがあるんだ」


「なんでしょう?」


「実は、あんたの教え子の森屋隆弘のことだが……」


 繁は忘れていた。そうだ、自分の教え子の設定で話をしていたんだ。


「何か……」


 繁は表情を引き締めた。


 隆夫は大きく息を吸うと、綾子の様子を窺いながら言った。


「あれは……実は、わしの前妻の息子なんだ」


「えええぇぇぇーーーっっ!!!! なんですってぇぇぇぇーーーー!!!!」


 心臓を掴み取られるように驚いた。


「ちょ……ちょっと、おっさん……ま、ま、ま、待て……お、おち……落ち着け」


「あなたが落ち着きなさいさ」



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