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未知夢

第14章 滝繁

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『ゴーーーン』


 繁は目を開けた。


 時は深夜0時。


 立派な高級分譲住宅の前に、繁は立っていた。


 繁の住むアパートよりも、はるかに大きい。今の森屋なら即金で買えるであろう。


 繁は「チッ!」と、舌打ちをしたが、今はそんなことを妬んでる場合じゃない。


 繁は深呼吸をした。


「そうだ……ここだよ。思い出したよ……今、俺は変に落ち着いてる。記憶が確かなら……今のもう一人の俺はまだあの家にいる。森屋を殺したのは……俺なんだ」


 繁は酔っていた時の記憶を、鮮明に思い出した。


「そう……俺はこの手で……森屋を何度も……」


 繁の手がプルプルと震え出す。


「止めなきゃ……ひとつ未来は変わった……高円寺綾を救ったんだ……森屋も救える」




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