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未知夢

第4章 容疑

 頑張っても時給は昔のまま。森屋みたいにバイトから出世出来るような、ヘビー級の奇跡はまず訪れないだろう。


 だから……。


 今日も休んだ。


 現実に目を向けた繁は、再び横になった。


 だが、あることが気になって、なかなか眠れない。


「とりあえず、ご馳走になってるからなぁ……お礼言っておかなきゃな」 


 あの時、森屋と携帯電話の番号を交換していたので、一度かけてみることにした。


 寝たまんまで、テーブル上にある電話番号を書いた紙と、充電している携帯電話を取り上げ、紙を見ながらボタンを押す。


「0901の…2764……」


『プルルル……』


 電話の呼び出し音が鳴る。


 しかし、何度、呼び出しコールがなっても一向に出てこない。


 もう仕事をしているのだろうか?


 もう一度かけ直した。だが結局、出ることはなかった。


「ダメだ……出てこない。拒否してんじゃねぇか?」


 繁は後からまたかけようと、携帯電話をおいた。


 とにかく今日は暑い……。



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