テキストサイズ

未知夢

第5章 訊問

「俺が殺ったのかなぁ……」とポツリと呟いた。


「だから、それを今調べている」


「もし、本当に俺がやってたんなら、一生をかけて罪を償いたいっす。だけど、俺自身、なんにも思い出せないんだよ。本当なんだ。わからないんだ。本当に刺したのかよ……」


 繁は泣いた。どこにどう感情を向ければいいのかわからなかった。


 やってない。


 やってないと信じたい。


 だが、証拠はそろっている。


 自分が覚えていないだけ。


 そんな酷な展開が、あるのだろうか?


 取り調べは中断。繁はそのまま留置所に入れられた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ