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未知夢

第8章 時間

 缶コーヒーを飲み干すと、公園のくずかごに放り込み、繁は公園をあとにした。


 なぜか、町中の人々が、チラチラと視線を飛ばしてくるように感じる。


 人目を避け、コソコソと歩く自分が情けなくて仕方がない。


 それ程ニュースにはなってないのか、真犯人が捕まった話題も聞かない。


 駅前の洋菓子店で、1000円程度の焼き菓子の詰め合わせを買った。


 あまり金銭に余裕がない繁にとっては、それでも大出費だが、いつもお世話になってるおばちゃんだ。


 心からお礼が言いたかった。


 アパートに着くと、隣の亀代おばちゃん宅を訪ねてみた。


 コンコンコンと、ドアを叩く。


「おばさん、いますか? 隣の滝です」


 だが、留守なのか、返事がない。


「いないのかな?」


 あとから行く事にして、久しぶりに我が家に戻ろうと部屋のドアを開けた。



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