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未知夢

第9章 異動

「兄ちゃん、困るで……わしらん所に勝手に出入りされたら」


 何を食べたらそんなにでかくなるんだと、聞きたいくらい体格のいい男が、繁の周りをうろうろしながら言った。


 お手頃な値段のソファーに座らされ、周りは怖い大人達が囲む。


 重苦しい空気の中に、繁は助かる奇跡だけを求めていた。


「兄ちゃん、許可なく入ったら不法侵入になるんやで。わかるか?」


「……はぃっ」


 先っぽに少し残ったマヨネーズが一気に吹き出たような声で返事をする。


「大丈夫や、手荒なことはせんさかい心配せんでええ。昔と違って今はわしらみたいなんは動きにくい世の中になったんや」


「あ……あの、僕はどうなるんです?」と、繁は背中を曲げ、顔を少し上向き加減にして言った。




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