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お嬢様♡レッスン

第6章 Lesson 1♥自分の身体を知りましょう

「おはよう御座います、お嬢様」

高月が爽やかな笑顔を作ってカーテンを開ける。

「うっ!眩しい…」

綾芽は眩しい朝の光に顔を顰め、羽毛布団を頭からすっぽり被る。

今日から始まるレッスンが心配で、昨夜は殆ど眠れていない。

「アーリーモーニングティーで御座います。これを召し上がってスッキリさせて下さい」

そう言って黒崎がお茶の入ったカップをベッドサイドに置けば、柳瀬が庭から摘んだばかりのフレッシュなベリーを盛った皿をその隣に並べる

「お嬢様、本日のお召し物はこちらで宜しいですか?」

華やかな笑みを浮かべて速水がワンピースと靴を差し出すと、杜若が綾芽の布団を剥いだ。

「ちょっ!何するんですか!?……って言うか何で皆さんが勢揃いしてるんですか───!!」

「朝からそれだけ大きなお声を出せるのでしたら、もう大丈夫そうですね?」

クスクスと笑いながら葛城まで部屋に入って来た。

「葛城さんまで!!一体、どういう事なんですかっ!?」

「本日は、最初のレッスンですので、特別に選んで頂こうかと思いまして…」

「今日は『マナー』で葛城さんだと聞いてましたけど?」

「ええ。そのつもりでしたが、やはり最初くらいはお嬢様のお好みに合う者が良いかと思いまして」

「それって…あちらの方のお話ですか?」

「さぁ、どうでしょう?高月から報告がありましたが、お嬢様も期待されているそうですね?」

(た──か──つ──き──め────!!)

ギロリと高月を綾芽が睨むと、彼は俯き肩を震わせていた。

「そちらの方は何とか後回しに出来ないでしょうか?」

綾芽は両手を摺り合わせて葛城にお願いをしてみるが、あっさりと交わされる。

「それは個々の担当者に交渉して下さい」

「う…。はい。分かりました」

「それで、誰を指名されますか?」

結論を迫る葛城。

(昨日、散々考えたんだけど、やはりあの人しか居ないよね。お爺様も全幅の信頼を寄せてる人だもん…)

綾芽の答えを固唾を飲んで見守る男衆。

「………さんで…」

「よく聞こえないのですが?」

「葛城さんで!!」

綾芽が葛城を指名した瞬間、大きな溜息が上がった。

ホッとした者。

残念に思う者。

様々な想いを吐き出した。

「まぁ、それが妥当ですね」

そう言って高月が微笑む。

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