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sugar-holic

第10章 棘がチクチクする

私の微笑みを、どういう意味に取ったのだろう?

「本当ですかぁ?」

と、疑わしそうな口調で聞いてきた。

「そういうのって、ストレスで出るらしいですよ?」

カチンときて、倉田くんを見る。

けど、至っていつも通りの表情で…。

「仕事、落ち着いたから」

きっと、他意はないんだよね。

そう思おうとしたのに

「仕事だけですか?ストレスの原因は」

「…どういう意味?」

「その分、一人で部屋で過ごす時間が増えた…ってのは?」

『一人で』の部分をわざわざ強調して言う辺り、他意が有りすぎだよ!!

「そんなのがストレスなら、一人で暮らせないでしょ?」

余裕ぶって、クスッと笑いながら話す。

でも心の中には、見えない棘がチクチク刺さっていく。

「そんな事言ってると、いいカモにされますよ?」

「…カモ…?」

意味が掴めずにいると、倉田くんが短くため息をつき、きっぱり言い切った。

「浅野社長に言い寄られるのは、アンタが隙だらけだからです」

「は…?」

「俺よりオトナでしょ?しっかりして下さいよ」

イラつく原因に、叱咤されてしまった…。

何も言い返せない私の前で、倉田くんは十穀米を咀嚼していた…。

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