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sugar-holic

第10章 棘がチクチクする

くすくす笑う私に、倉田くんが憮然とした表情を浮かべる。

「大丈夫よ。浅野社長、面白がってるだけだから」

少しからかいの過ぎる人ってだけで。

「本気なわけ、ないじゃない?」

「本気だったら?」

やけに沈んだ声で言われて、笑いを止めて倉田くんを見た。

倉田くんは全然笑ってない。

むしろ、真面目な顔をして私を見ていて…

「や…やだなぁ。そんな事…」

あるわけない。

なのに、そんな顔をされると…気持ちが揺らぎそうになる。

何て返したらいいのか迷っていると

「ま、別にいいんですけど」

え!?

急に突き放されたみたいで、瞬きを繰り返した。

「何なら、セクハラで訴えてやって下さい」

「は…?」

「あのオッサンは1度ひどい目にあった方がいいんですよ」

得意先の社長に対しての言葉としては、絶対的に褒められない事を言ってる。

だけど…何でだろう。

嫌って言ってるんじゃないのが分かる。

「で、イベント内容の変更点ですけど…」

料理が提供されるまで、打ち合わせを再開した。

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