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硝子のルージュ

第4章 #4 レイナとの関係~出会い~

女性の問いかけに千種は慌てて首を横に振る。


「俺、さっきここに来たばかりなのに会話なんて知らないし」


「ホントに知らないの?」


「知らねーよ。しつこいな」


疑うような眼差しで千種を見つめるのでイラついた千種は軽く舌打ちをした。


やがて千種が頼んだ定食が来たのでレポートを切り上げて食べることにした。


「……用事ないなら帰れよ。食いにくいだろ」


うんざりした様子で女性を睨むと、女性は千種の方を振り返ることなく、店を出た。


食事が済んで店を出ようとした時、視線に気づいた。


「……またかよ」


「ふふっ、いいじゃない」

女性は千種の腕に絡み付こうとするが、とっさに避けた。


「ベタベタされるのあんまり好きじゃないんだ」


「そんなこと言うから彼女できないんじゃないの?」


彼女の言葉に千種は唖然としてしまった。

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