
誰かお願いつかまえて
第1章 私ってやつは
私が向かってくるのに気づいて未来は場所を空けてくれる。
(この出来上がってる雰囲気に突っ込むのキツイな…)
でも自分がいきなり男子の方に行ってたのが悪い。未来にもいろいろ気を使わせてしまったし…
『…みんな、ひさしぶりー…』
言ったぞ。さぁ言った。無視か?無視するか?
「ひさしぶりー!」
「おかえりー」
おかしい。絶対におかしい。怒ってないの?
『た、ただいまー…』
バン!
「ただいまーとか聞きたくないんだけど?」
手を付いて勢いよく立ち上がったのは、えーと誰だっけ?名前思い出せないけど確かギャル系のリーダー格だったような……
『ごめん』
「まぁいいけどさ」
『え、いいの?』
とりあえず謝ったあとの返答に驚いて聞いてしまう。
「別に男あさりに来たわけじゃないでしょ、みんな。今日は女子会気分だったのに、なーちゃんがいないから!」
(え、男あさりに来たんじゃないの、あなた!?)
申し訳ないことに名前を思い出せない彼女をよくよく見てみると、大人っぽく落ち着いた感じ。メイクも濃くない。女子力高めの服装。
「そうそう!あいつら相手に男探すわけ無いじゃーん!」
彼女の隣の子も同調する。
(在学中は血眼で男あさってませんでした!?!?)
と思いつつもそれなら尚更悪いことをしたと反省する…。
『ごめんね!………みんな見ないうちに雰囲気変わったね』
そう言いながら未来の隣に座った。
