
誰かお願いつかまえて
第2章 仕事人間
――午後の打ち合わせも滞りなく進み、私はデスクワークの真っ最中。
午前中に自分が余計なことを考えていたのを思い出して、もっと集中しないといけないと思い直した。
(とりあえず終わらせるところまで終わらせる!!
他のことなんて考えられないくらい仕事に集中しないと!!)
「岡崎戻りました」
そこに岡崎さんが戻ってきた。
「『お疲れ様です』」
偶然揃った声を聞いて笑われてしまった。
「なんだ仲良しか2人とも」
「『違います!』」
また揃ってしまった…
岡崎さんまだ笑ってるし。
「はー面白い!
あ、前回の幸村の説明ほめられたぞ」
『ほんとですか??』
今日岡崎さんが行ってたのは、前回私が商品の説明に行ったところ。
詳細が気になっていたみたいだから、少し細かく長めに説明してしまったのだが、満足してくれたようだ。
「それにしても、商品の材料とか作りまで覚えてたのか?」
『まぁそんなに量もありませんでしたし。
企画部の努力をものにしたいですからね!』
私の口から、企画部、というワードが出て一斉に笑い出す営業部のみなさま。
「おいおい、どうした??」
「岡崎、お前の部下は今日企画部の後輩のことシメてきたらしいぞ」
岡崎さんと仲のいい先輩が笑いながら教える。
「え?なにそれ?」
――こうして私のイメージに"怖い先輩"が追加された…。
