
誰かお願いつかまえて
第2章 仕事人間
今週の仕事をすべて終わらせた幸村は今日は内勤である。
「お、今日幸村は内勤か!
社内だからって寝るなよ?」
『寝ませんよ!!』
俺たち以外の社員でも今日アイツが内勤かどうかなんてすぐ分かる。
「おはようございます!幸村さん、フレアスカート似合ってます!!」
『あはは…ありがとう』
幸村は内勤の日はスカートを履いてくるからだ。
服の指定など特にないうちの会社は男性社員もお洒落な人が多い。
俺はめんどくさくて毎日スーツだけど。
「いつものパンツスーツもかっこいいですけどスカートも素敵です!!今日1日一緒に仕事できるなんて幸せです!」
本当に南は幸村に惚れてるんじゃないだろうか。
今だって顔を真っ赤にしてアイツに一生懸命話しかけている。
アイツが苦笑いして、ありがとう、と言うと目を輝かせている。
幸村も幸村で、南のことを可愛い可愛いと連呼してニヤニヤしてるあたりおっさんかよ、と思ったりもする。
それにこの前のダンボールと企画部の話を聞いてても思ったが、やることがやたらかっこいいんだよな、アイツ。
これは相思相愛なのかもしれない、とふざけていたらふと思いついた。
(そうだ…)
