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先生…お願い。早く治して・・・

第20章 可愛い妹よ…俺たちがいる



『 ん…ん……っ』

窓からうっすらと入り込む日の光に目が覚めた。


私………昨日……。



最後の記憶がない。きっと気を失ったんだ…。




ふと横を向くと、携帯にメールを知らせるライトが点滅していた。

携帯を手に取り開こうとしたが、ソファーに横になる宮田が目に入った。



綾は静かにベットから起き上がると、
ソファーに横になる宮田に近づく。


宮田はワイシャツの首元のボタンを外し、ネクタイを握ったまま眠っていた。


こんな宮田の姿を見たのは初めてだった。

綾が知る宮田はワイシャツの上にはベストを着てビシッとスーツを着こなし、少しの乱れもない完璧な男性。

それに、ほんの少しの物音にも反応し、起きてしまう事を知っていたのに、今は気づく様子もなくぐっすりと寝ている…。


そんな宮田を綾は見つめていた。


ごめんね……、私の為に…。


何も掛けずに寝ている宮田が起きないように、そぉーっとブランケットを掛けた。



そして、携帯を握りしめ病室を出た。

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