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先生…お願い。早く治して・・・

第12章 異変

腕を動かせない綾はメイドに付き添われ、シャワーを浴びた。

包帯を巻いた腕を圧迫しないよう、メイド達が用意したのは、フリルの付いた水色のシャーベットカラーのノースリーブと短パンのセットアップのふわふわなナイトウエア。

その上にロングカーディガンを羽織りバスルームから出てきた。


『あぁ〜気持ち良かった』そう言って出てきた綾の顔には少し元気が戻っていた。




「お嬢様、腕は大丈夫ですか?」


『うん。大丈夫』


「ご飯の準備が出来ています。こちらへ」
淡々と話す表情はいつものクールな宮田に戻っていた。




さっきまであんなに優しかったのに…、
みんながいると、いつもこうだ…


そういえば昨日から何も食べてなかったな…


テーブルに用意されていたのは、お粥や魚をメインにした食材。やはり口から物を入れると力が出る。一通り食べ終わると、メイドや老婆やと雑談していた。




“お嬢様、先ほどの先生素敵ですね。”

一人のメイドがそう口にすると、他のメイドも
“うんうん”と頷いた。



そんなメイド達に綾は
『 え〜、でも医者だよ…。私、やっぱりお医者さんは苦手』
と顔を横に振った。



小さい頃から親と離れ、強く生きてきたが、中2になった今でも病院、医者…は綾にとって最も苦手で、怖い存在なのだ。



「お嬢様、少しお休み下さい…。お身体に障りますよ。
君達も、仕事に戻りなさい」


宮田の言葉にドキっとしたメイド達は
“ハイ。すみません”
と私と宮田に頭を下げると仕事へ戻った。


私はメイド達が用意したベットシーツに包まれ、体を休めた。

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