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君と僕の見ている風景

第11章 復帰

ー翔sideー


翔「はー…やっと寝た…」


数時間戦ってやっと太陽は寝てくれた。


俺はベビーベッドに太陽を横たえ、リビングに戻った。


急いで洗濯物を取り込み、畳み始める。


後は…風呂掃除して…夕飯の用意…。
潤今日は早いって言ってたから早めにしないと。


何作ろう…。


「………疲れた…」


最近の太陽はぐずり始めると止まらない。
抱っこしてあやしてあげないと寝てくれない。


寝てる間に家事をやらないといけないし…。仕事の準備もある。


覚悟はしてたけど…両立ってこんなにしんどい物なのか…。


でも簡単に頼る訳にはいかないし…。


「ぐす…」


いつの間にか、涙が出た。


もう…無理かも…。


ピンポーン


「え?」


マンションのエントランスのインターホンが鳴った。


「潤…もう帰ったの?」


慌てて立ち上がり、モニターを付けた。


「………にの…」


和「良かった居た。近く寄ったんで太陽くんの顔見に来ましたよ」


「あ、うん」


ボタンを押し、玄関へと向かう。


「いらっしゃい」


和「お邪魔します」


「ごめん、太陽今寝たばっかでさ」


和「そうですか。残念」


「………急にどうしたの?」


和「うん…翔さんにちょっと休んでもらおうと思いまして」


「え?」


キョトンとしてるとにのが持っていた荷物をキッチンで並べ始める。


和「母和子特製のお鍋ですよ」


「に、にの…」


和「翔さん…全部自分で抱え込む必用無いんですよ?」


「………」


にのが手を止め、俺を見つめた。


和「そりゃね…専業主婦なら全部自分でやってもいいんだと思います。でも翔さんは仕事してるでしょ?しかも時間も拘束時間も目茶苦茶なこの仕事。そんな仕事で子育てまで背負い込んだら心も身体も疲れちゃいますよ」


「………」


和「ママが元気でないと…子供にも影響しますよ?まだ3ヶ月でも太陽くんママの事ちゃんと見てますよ」


「にの…」


和「誰かに頼るのは恥ずかしい事じゃないんです。皆助け合って子供育ててるんですよ?皆やってる事です」


「………」


にのの言葉が…張り詰めてた俺の心を溶かしていく様に染み込んできた。

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