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君と僕の見ている風景

第12章 魂の半身

ー翔sideー


「にの、少し話せる?」


雑誌撮影の合間、俺達以外の3人が撮影している間、俺はにのと一旦楽屋に戻った。


内容が予測出来てるからか、にのは静かに俺に着いて来た


「コーヒーいる?」


和「ありがとうございます」


俺はコーヒーをにのに渡し、ソファーに隣り合って座った。


和「………この間は本当にすみません。せっかくの夕食に水を指す様な話してしまって」


話そうとすると、先ににのが口を開いた。


「そんな事ないよ。それよりありがとう。あの日は本当に助かった」


和「いえ」

「それに…昔の言いにくい事も…話してくれて…嬉しかったよ。俺も潤も」


和「………」


「知らなかったから…そこまで大変だったなんて」


和「いえ…昔の事ですし…」


「正直…きっと俺達4人にはにのの辛さ…分からないし簡単に分かるなんていっちゃいけないんだと思う…俺達の両親…皆仲良いから…」


和「そうですね。凄く羨ましいんですよ。それに何か不思議なんです。どうして何十年も一緒に居てまだ仲良く出来るのかって…」


にのがコーヒーを一気に飲んだ。


「………分かんないけど…魂の半身だからじゃないかな」


和「え?」


「10年位前に読んだ小説にね…書いてあったんだ。運命の相手の事…その小説の中でそう表現してた。愛する人…切っても切れない…その人が居なきゃ自分じゃ無くなる人…それが魂の半身って…」


和「たましいの…はんしん…」


「きっと…俺は潤がそうだって…魂の半身なんだって思ってる。だって他の人じゃ駄目なんだもん。潤じゃないと駄目なんだ。潤が居ないと俺じゃ無いんだよ。それが…言うなら魂の半身…なのかな…」


和「………魂の半身…」


「にの…俺も潤も…にのと智くんがそうであればいいって…そうであるって信じたいよ」


和「………翔さん…」


「ん?」


和「俺も…信じたいです…さとしが…その相手だって…」


うっすらと目に涙を浮かべたにのが…俺の手を握った。


俺はその小さな手を…強く握り返した。

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