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君と僕の見ている風景

第3章 新しい命

ー翔sideー


和「で、ご両親にはいつ挨拶に行くんですか?」


「来週には何とか行けそうかな…」


本番1時間前の楽屋。


見慣れた光景。


皆それぞれ好きな様に過ごす中、俺はソファーでにのと談笑していた。


潤と付き合い始めた頃から何故かよく俺はにのに相談する事が多かった。


何でだろう…にのと話してると、潤とは違う居心地の良さがあった。
それに…同じグループ内恋愛をしてる仲間同士…話も合う。


和「潤くんとこはまぁ大丈夫だとして…問題は翔さんとこですね」


「潤も言ってたけど…そんなに問題かなぁ」


俺は差し入れのシュークリームをパクつきながら首を捻る。


和「翔さん…お父さんは総務省のお偉いさんでしょ?それに凄く温和な感じの方ですけど…オーラ半端ないですから。緊張しますって」


「そうかなぁ」


和「まぁ、頑張って下さいね」


「ありがと。でも…にのと智くんはどうするの?」


2つ目のシュークリームに手を伸ばした。


和「何がです?」


「………結婚とか…考えないの?」


にのは、ジュースを飲みながら天井を見上げた。


和「………あまり結婚に期待してないんで私は。今のままが良いんです」


「………そっか…」


にのの両親はにのが幼い頃に離婚してる。
父親の顔は覚えてないと言ってた。


そのせいか、良い意味でも悪い意味でも人に対してドライなとこがある。


俺と潤が付き合い始めた後…智くんと付き合ってたけど…2人には今の関係が合ってるって事なのかな。


でも俺は…形にしたい。
潤と結婚して…いつか子供に恵まれたら。


たまに子供夫婦が孫を連れて遊びに来る家。
それが俺の夢。


和「てか翔さん。何個シュークリーム食べるんすか」


「へ?」


にのの言葉に妄想から現実へと引き戻される。
すると俺の手には新しいシュークリーム。
テーブルには空の包みが2つ。


和「大丈夫ですか?」


「いや何か…このシュークリーム美味くてつい…」


あははと誤魔化しながら俺はシュークリームを箱に戻した。




この時の俺は、自分の身体に起こった異変にまだ気付く事は出来なかった。

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