
愛してるって伝えたい
第4章 過ち
金曜の夜だと言うのに全員予定がなかった。
同期は私を含め5人。
上司は3人で、8人で焼き鳥屋さんにはいった。
テーブル席で、真正面に池田くんが座った。
心臓が爆発しそうだった。上司の話が頭に入ってこない。
彼の笑顔にばかり気を取られてしまう。
「ーだよね?黒崎さん?」
突然の振りに私は慌てふためく。
「えっと、はい。そうですね」
横を見ると、智子ちゃんが苦笑いしている。
「ちょっと、どうしたの。なんか考えてたの?」
私は作り笑顔で上司に訊き返す。
「ごめんなさい、えーっと、周りが騒がしくてあんまり聞こえませんでした。もう一度お願いします!」
上司は笑っていた。
「池田の結婚式、行くんだよね?」
