
愛してるって伝えたい
第9章 会えない
池田くんが来ると、女性の目が一斉に彼に向く。
みんなこぞって池田くんに話しかける。
そんな中私は逆に話しかけられなくて…
他の人と楽しそうに話してる姿を見ると胸がチクチク痛む。
私のものではない。分かっているんだけど…。
「ほんとにイケメンだよね。彼。」
席の向かいにいるベテランの先輩が私に向かって語りかける。
「黒崎さん、いいんじゃない?年齢も近そうだし。
雰囲気もあってるし。」
「あはは、ないですよ。しかも彼結婚しますしね。」
「えっそうなの?なんだー。意外と真面目なんだ、彼。」
こんな会話をするだけでも辛い。
でも先輩。彼は真面目ではないです。
私と関係を持つくらいですから。
