センチメンタルメモリー
第2章 TOKYO
「ここが…東京か…」
1人、大きいスーツケースを片手に駅前にたった私。
目の前には109と書かれたビル。
大きな液晶画面。
信号が変わる度に行き来する人の流れ。
「くさ…」
初めて上京した渋谷は生ゴミの臭いがした。
東京で派手髪、ピアスは普通に居るらしく田舎とは大違いだ。
携帯を出すと夜の9時半を示していた。
「渋谷に着いたら電話しろ」と言われていたのである人物に電話をかける。
………「もしもし、着いたか?」
昔は電話番号を登録してなかったみたいだから、勝手にかけたら誰だって言われてたっけ。
「うーん、駅前?ハチ公?109?んとこ」
駅前でタバコ吸ってて人の流れを見ていた。
「待ってろ、迎えに行く」
「なにで?」
「車」
「え、ちょ…」………
返事も聞かずに切りやがった。
まあ、そんなやつなんだけど。