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密ばち

第3章 戸惑い

沢木啓二(19)


啓二は講義が終わるとすぐさま家に帰ろうとした。
が、筆箱を教室に忘れたことを思い出す。

「まじかよ…。教室何処か忘れたし」

重い足取りだったが、次第に走り出す。
教室のドアを開け入ろうしたその時。

ドンッッ!!!!


(おわっ!)


「ん…いって…あ……ごっ!ごめん!!大丈夫?怪我はない!?」

目の前には女の子。
上目遣いのその瞳に啓二は見とれた。
(か、かわい、、)


が、彼女が履いているスキニーのお尻の部分が破けている。
薄いピンクのパンツが見え、啓二はすぐさま目をそらした。

「よかった!…でも、その格好はちょっと…」

(可愛い上に何その誘惑……!!って俺、何考えてんだ!!!)

我に戻った啓二は自分のシャツを彼女の腰に巻き付けた。

明日また会う約束をし、彼女は満面の笑みでお礼を告げると去っていってしまった。


啓二はまた会える嬉しさに思わずニヤけてしまい、熱の覚めないまま教室を後にした。





~~~~~~~~~~~~~


弥月はベッドの上で今日のことを思い出していた。
なぜか分からないのだが、今日会った彼のことで頭がいっぱいだった。


「明日は何着ていこ…」
自分に自信のないまま、眠りについた。

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