DAYS
第34章 Lives M×O
「…っくしゅんっ。
さむっ…。」
風呂から上がった途端に寒気が出てきて、
くしゃみが止まらなくなる。
リビングのクーラーを消して、
窓を開けて生温い風を部屋へと入れる。
だけど、まだ寒い。
心が冷えたまんまだから、かな…。
7時を過ぎた。
寝るには早いかもしれないけど、
寝室へと向かう。
寝室のドアを開ける直前に思い出す、
潤の朝の言葉。
「…、あー!くそっ。」
何なんだよ、何なんだよ、何なんだよ…。
あんなに潤と2人で迎える朝が
好きだったのに。
そう思ってたのは、俺だけだったの?
温かい思い出ばっかりだったこの部屋。
その思い出さえも、
このドロドロした感情に呑み込まれてく。
どうしても寝室に入れなくて、
ゲストルームのドアを開けた。
カギをかけて、窓を開けたら
ベッドに飛び込んだ。
「結局、ここか…。」
潤が俺とルームシェアをしようって
提案した時も、ひとりでここで寝てたっけ。
あの時は、心強かった。
部屋にいるのはひとりだったけど、
でも同じ家に潤がいるって思ったら
心が軽くなってたから。
それでも何度も涙が出た。
潤は知ってる?
俺、そんなに強くないよ。
ひとりは…淋しいよ。
帰ってきてほしいけど、
でも帰ってきてほしくない。
矛盾した自分の考えが、
さらに俺自身を混乱させていく。
枕に冷たい涙を染み込ませて、
目を閉じても眠れなかった。
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