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友恋

第11章 特別







「…今、誰かのこと思い出してたでしょー?」


楓がニヤッと笑う。



「そ、そんなことっ…」


「ほんと優姫は分かりやすいんだから。」


楓はそう笑うと、私との距離を縮めた。


楓のシャンプーの匂いが鼻をくすぐる。



「特別って難しいけど、他の人にはない気持ちになったら、もうそれが特別ってことだよ。」



モゾッ


手を離すことなく、楓が顔を天井へと向ける。



「会いたい、話したい、顔が見たい、その人に対する欲が出てきたら、特別な感情があるってことだと私は思うんだ。」



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