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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

二宮視点

(眠い…体が重い…)
 自分の部屋の前まで来た。

A「ねぇ?カード出して?」
 マー君の声が聞こえたから、ポケットからカードを出す。

「あ…うん」
(やばいなぁ…ちょっと疲れたのかな?)

 マー君に扉を開けてもらう。

(あー寝るーー)
 真っ直ぐベッドにダイブする俺。

A「あぁ…もう、そんな向きで寝たら…体に…」

 マー君がそんな俺の体を軽々と抱き起す。

(その細い体に、どこにそんな力あるんだよ…)

A「ほら、もうちょっとだけ、起きてて…」
 体の向きや、枕、クッションを体の周りにセットしてくれる。


「いつも…すまないね(笑)」
 布団の上で、手をふるふるさせながらいう。


A「それはぁ言わない約束だろ?おっかさん(笑)」
 マー君が掛け布団をフワッとかけながら笑う。

(乗ってくれると思ったよ…)
俺は自然と笑ってしまった。
 マー君もふふっと笑ってくれた。

(あ…布団気持ちいぃ…)
 かけてくれた布団の中にモゾモゾ沈んでいく。


「部屋に戻ったら、電話して?迎えに行くから…」
 顔だけ、出してマー君に声を掛ける。


A「今日は独りで行ける…」
 首から何か出している。


「そうか…祝福貰ったもんね…」

自分の頭にある花をそっと触る。

「私が手を引かなくても、扉…通れますね…

 扉が来たときは、わーわー騒がず、向こうの言う通りにするんですよ」

マーくんは俺の方を見ながらニコニコしている。

「ちょっと、聞いてる?」

A「え?なに?」

「だから…迎えの扉の前では、声出したら…ダメだよ…」

(使者に迷惑だから…)

A「へーそうなんだ」

「そのぉ、反応が心配だよぉ」
 布団の中に顔を再び隠す。


A「…もう、寝なよ…」
 優しく髪を撫ぜてくれるマー君。


「うん……」
俺の体は眠りに落ちていく。

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