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虹色の精霊に導かれて…

第2章 ハワイの夜空の下で

大野視点

「綺麗な夜景だなぁ」


一人ホテルのベランダからハワイ独特のオレンジ色の街灯が道や芝生を照らしているのが見えた。

「オイラ… 今、ハワイにいるんだぁ」

この色はここでしか、感じない。


{こんばんわ}
 誰もいないはずのベランダで声が聞こえた。


ビックリしたけど、すぐキミだとわかった。


「やぁ、ひさしぶり…」
 声の方に返事をしてみた。


{ふふ。キミは変わらないね}
 温かく優しい声は、そう言ってそばに近づいてくる。


「そうかな?結構変わったよ。色々あったから…」
 体や髪を触ってみせる。


{そうだね。確かに色々あったね…でも、キミの輝きは変わらないよ}


「ありがとう。いつも、傍にいるのは感じてたけど…こうやって話せるのは、ココだけなんだね…」


{ここは、聖地だからね。僕たちも元気になるんだよ}

(聖地かぁ)


「うれしい。

キミと同じ言葉を『嵐のファン』の子たちも

「ハワイは嵐の聖地だ」って言ってたよ」
 ふふっと笑う大野。



さっきまでの優しい空気が一変する。

(寒い……風?)
 肩を少し触る。



{お前は『嵐』か?

   お前が『嵐』なのか?}


 違う声が耳のそばで言う。


とても、暗く冷たい声。

戸惑いと、憤りで目の前が見えなくなった時感じた、黒い感情を思い出した。




「……わからない…」
 答えの代わりの言葉がこぼれる。

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