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秘密

第20章 思出

※さっくんside

ルナ様が入院するようになった日から
嵐様の姿はありませんでした

恐らく自身のライブツアーで日本を飛び回っているのだと思います

ルナ様はあの日から同じことばかり聞いてくるのです

「今日何日?」

ただそれだけ

私が答えると、微笑み、また眠りにつきます



これだけでも私の中では幸せなことなんです


ルナ様は日に日に痩せられました
まともに食事を取りませんでした
自分でスプーンを持つことすらな出来なくなったのです
私の手から少し食べるだけで
他の栄養はすべて点滴で行いました

ルナ様に起きた2つの出来事がこんなにも影響するなんて思ってもいませんでした


次第に眠っている時間が長くなっていき
これで休まるのなら、とただそばにいることしかできません

目を覚ました時には食事を与え
ルナ様の気分でリハビリをしました
車椅子に乗る練習です
自分の力だけでは歩けないほど弱っていたんです


そして元気のある日には
嵐様のライブのDVDを見て、
その目はすごく光っていました

細くなった腕を上げ振り、その場にいるように楽しんでおられました











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