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秘密

第27章 共

※大野side

[ピーンポーン]

この音がなるまで俺らに一切会話はなかった


二「大野さん…」

「あぁ、」


フラフラになりながら俺はインターホンに向かった

画面越しに見える顔が整った男
ルナが好きな…



「はい」

「あ、智くん?櫻井です」

「今開けるね」



玄関に向かい鍵に手をかけた

はぁ…

と1つため息をついてドアを開ける


翔ちゃんは少し開いたドアを自分で開けて
俺の顔を見て「おじゃまします」
って玄関に入った

俺の肩に手を置き顔を覗いてくる

櫻「ねぇ、大丈夫?」

「…大丈夫だよ」

櫻「何かあったの?そんな顔して」

「いいから、入って…」


ルナの気持ちが自分に向いてることなんて知らない
翔ちゃんは俺に優しく接してくれる

同情なんかじゃない

本気で心配してくれてるんだ

ずっと一緒にいるんだもん
すぐ分かるよ
その目、その言い方、
俺がどれだけ冷たく接しても翔ちゃんはいつも冷静で優しかった


翔ちゃんが付いてくるのを確認して寝室へ行く

翔ちゃんの顔を見た瞬間ルナが抱きついた

ル「翔くん……よかった……」


戸惑う顔でルナに手をまわす

櫻「…どうしたの?」


そう言って目線をルナに合わせる
きっとこういうところがモテるんだよ

「翔くんがね…いなくなっちゃう夢見た……」

櫻「…俺はいなくならないよ」

「一緒…」

櫻「ずっと一緒」

ルナの頭を優しく撫でると立ち上がって
2人のやりとりを見ていた俺らと目があった

櫻「あなたたちは?顔やばいよ」

俺らの方に来る

ルナがその後ろを追いかけてる

櫻「聞いてますか?」

「あぁ…」

櫻「用事済んだみたいなんで、帰りますけど、」

ニ「翔さん…ありがとう」

「ありがとう…翔ちゃん」

櫻「どうしたんだよ、もぉ。俺明日zeroあるから、続きは火曜日ね。また、」


翔ちゃんと玄関に向かう

櫻「おじゃしました」

「ありがとね…」

櫻「智くん…」


ふわっと包まれる
香水の匂い
お風呂まだだったんだ…
ルナのために俺らのために急いで来てくれたんだ…

櫻「大丈夫?」

「翔ちゃん、ありがとう」

櫻「よかった、少し元気になったみたいで。またね、智くん」

「うん、また」






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