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秘密

第8章 存在

※嵐side

松「違う?」

ル「嵐と違くてパパとママいないから…ぎゅーってしてくれる人いないから…うぅ……1人やだよぉ…」

高校1年生

親に甘えるっていう年頃ではないけど
当たり前にいたから

ルナにはいない
だから甘えるっていうのがとても大切なことなんだ

ルナにとって一つ一つの【当たり前】は
【特別】でもう叶わない夢なんだ

さっくんに聞いた
マッチさんのことで最近忙しくて
相手してあげられてない
って

ルナはずっと一人だったんだ
あの広い家で

大「もう大丈夫だから…」

そう言ってリーダーはルナをぎゅーって

ルナの耳がちょうど心臓にくるように

ルナは泣いた

たくさん

久しぶりに聞いたんだろう

心臓の音

大「俺はここにいるよ、ここに、」

長瀬くんみたいに体はがっしりしてないけど
誇らしく思えた

ル「もう一人にしないで…」

大「しないよ、絶対に」

徐々に落ち着いてきたルナは俺らにこう言ったんだ
「ルナの命って本当?」って

櫻「なんで?」

ル「パパとママの愛の証がルナなんでしょ?でも離婚してるんだよ。だからルナの命は嘘になっちゃうんじゃないかって」

この子はすごい
普通の人じゃ考えないようなことスラスラと言って
俺らに伝えてくるんだ

自分の命が本当か嘘かなんて考えたこともない

櫻「それはお父さんがお母さんにしか分からないかもね」

俺らに分からないことなんてたくさんある
それをルナから教えてもらってるんだ
世界観の違う一人の女の子に

ル「ママはどこにいるのかな…」

消えてしまいそうな声

その言葉に

「探してみる?」

って言ったのはニノだ

ルナは少し明るい声で「うん」って




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