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秘密

第9章 絆

※櫻井side

ルナの元へ行くと月を見上げながら何か考えているようだった

そういえばルナと2人きりなんて初めてじゃん

「ルナ?」

少し驚いた顔をしてこっちを振り向く
その目には涙が溜まっていて
月に照らされた体は痣だらけだった

この子はなんでこんなにも傷つかなくてはならないのだろう

近くにあった3人掛けのベンチに2人並んで座った

「何してたの?」

いつも通り、いつも通り…

ル「……考えてたの。本当か嘘か…」

「それって考える必要ある?」

ル「え…?」

全部伝えるんだ俺なりの考え
ルナの世界は狭いまだまだ狭い
こんな俺の考え方でも力になれると信じて

「ルナの命が嘘だったらルナはどうなるの?
くらーく生きてさ、私の命は嘘なんです、
ってやっていくの?俺はそんなの間違えてると思う。
たとえ嘘でも死ぬわけじゃないでしょ?
命が嘘でもルナは嘘にならない。
ここにいるってだけで存在は嘘にならない。
だからいいんだよ。
みんなと同じように生きていけば。」

ルナはちゃんと俺の目を見て必死に話を聞いてくれた
ずっと目に溜めていた涙を1粒だけ流した

ル「うん…うん…」って
俺が言った言葉を染み込ませていくように

ル「これからも…パパって呼んでいいの?ママはママじゃダメって…」

「ルナを生んだのはパパとママに間違いないんだろ?それならルナにパパ、ママって呼ぶ権利はあるよ。だからいいの。パパって呼んで」

ル「…ありがとう」

ルナは少し嬉しそうな顔をして微笑みかけてきた

そうその顔だよ

「ルナには笑顔が1番似合ってるよ」

さすがに照れたのか顔を真っ赤にさせてる

「戻る?」

ル「うん」

俺らは2人でリビングに戻った

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