テキストサイズ

秘密

第9章 絆

※大野side

さっきからルナが微笑みながら眠っている
いい夢でも見れているのかな?
メンバーでそう話しながらソファで寝ているルナをずっと見ていたんだ

でもいきなり辛い顔して
「パパ!ママ!待って!消えないで!ずっと一緒にいて!」って叫んだんだ

両親の夢…見てたんだ…

ルナは空中に手を伸ばしている

思わず「ルナ!」って呼んでしまった

ルナは驚いたように目を覚まして
「夢だったんだ…w」って

「パパとママにね初めておかえりって…初めて抱きしめてくれて……でも…でも…消えちゃった……」

初めてが夢の中だったんだ

「ルナ、大丈夫だよ。俺らがいる。俺らが。」

「うん…うん…」

いつかなってみせるよ
2人目のお父さんみたいに

落ち着いたルナは聞いてほしい歌があるの聞いて?って

俺らは床に座った

ルナは立って歌い始めた





ごめんねの数だけごめんなさい
ただいまの数だけおかえりなさい
何気ない言葉を重ね合って
何気ない毎日つくってるよ


おはようの数だけおやすみなさい
いただきますの数だけごちそうさま
いくつもの言葉が響き合って
いくつもの笑顔が生まれてるよ

ありがとうの数だけありがとう



「みんな2日間本当にありがとうございました。」

って俺らに向かって言ったんだ

みんな思ってることはきっと同じ
ズルズルと鼻をすする音で溢れてる

言葉はすごく単純なんだ
歌詞も俺らの日常なんだ

でもルナにとってそれがどれだけ特別なのか歌で教えられた気分だった

俺らからは『ありがとう』ただそれだけ一言だけ
でもルナにとってこの一言すら大切で
ルナはすごくいい笑顔で「うん!」って

俺らはルナにとっていい存在になれたかな
1人じゃないって分かってもらえたかな?
分かってもらえてたらいいな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ