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金魚鉢の金魚

第1章 金魚鉢の金魚

 週に一度の休日。落ち込んだら必ず此処に来る。自宅から離れた彼、翔ちゃんの家は私の避難所のようなものだ。

 翔ちゃんは平日は仕事でいないけれど、私の好きなキャラクターで作ってくれた合鍵でお邪魔する。

 翔ちゃんの家は、ワンルームで白で統一されており、家具が最低限しかない。悪い意味で殺風景、いい意味で落ち着いた部屋。

 窓際の棚の上には金魚鉢。赤い琉金と黒の出目金がぷかぷかと泳いでいる。翔ちゃんは琉金だけでいいと言ったが、私が駄々を捏ねて、飼ってもらった出目金。

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