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キョウダイ

第18章 育ての親






本当に悠ちゃんのアパートに着いてしまった。


駐車場に車を停めて。


黙って歩く悠ちゃんについて行く。


戸惑うあたしの手を引いて。


2階の1番角の部屋。


引っ越しの手伝いに1度だけ来た事があるけど。


シンプルな木目調の家具。


暖かみのある色使いで落ち着く家。


悠ちゃんらしい。


「シャワー浴びるけどいい?
汗かいたからね?」


「うっ、ごめんなさい……」


ふっと優しく笑ってあたしの頭を撫でて行く。


落ち着かない思いで部屋のラグの上に座る。


いつの間にかまたうとうとしていた。






「また、無防備に……ったく、襲うぞ?」


唇に暖かい感触。


はっとして思わず体を起こそうとして、


ごつんっ!


頭をぶつけてしまった。


悠ちゃんの頭?


「痛っ……!」


頭を撫でている悠ちゃん。


「ごめん悠ちゃん?」


「……や、いいから。
お前もシャワー浴びといで、俺のシャツでも着るか?」


着替えを用意してくれる。


「ありがとう」


悠ちゃんにお礼を言って、バスルームに入った。


シャワーをゆっくり浴びて。


シャンプー、リンスがその辺のスーパーで売ってるモノじゃないって、気付いて感激する。


高そうだし悠ちゃんの香りがする。


落ち着く香り。


悠ちゃんが用意してくれたTシャツを着る。


ぶかぶかでワンピースみたいになる。


ズボンもあったけど、必要ないな。


そう思ってその格好のままシャワー室から出た。





「……お前、その格好はどういうつもりなんだ?
せめてブラジャーくらいは着けないと……」


あたしの格好を見て。


前髪をかきながら顔を覆っている。


「……えっ?分かっちゃう?
でも家でもいつも寝るときはブラなんかしないし?」


溜め息をつく悠ちゃんの瞳が鋭く光る。


「寝るときってお前、ここに泊まるつもりなのか?」


「だってもう遅いし眠たいし、えっと、ダメなの悠ちゃん?」


キョトンとするあたし。


「まさかお前、俺がさっき親父に言った事を、どういうふうに思ってるんだ?」


「えっと、悠ちゃんの家にお泊まりするっていう……」

「ベッドも布団も1つしかないのに?」


「えっ……と?」


「俺はお前の事が好きなのに?」





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