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キョウダイ

第18章 育ての親






あたしのスマホの着信音が聞こえる。

大好きな歌手。

寝惚けて聞き入っていた。

「ああ、なんだ母さんか、おはよう」

隣で寝ていた悠ちゃんがあたしのスマホを持っている。

「……なんでって言われても一緒に今いるからね?
葵はまだ寝ているよ。
いや、もうちょっと寝かせてあげたいかな?
夕べはちょっと無理させてしまったから、あんまり寝てないんだ。
やだな、母さん分かるだろ?
そういう事だから、葵はこれからは家で殆ど過ごすと思うから」


あたしのスマホを持って会話している悠ちゃんをぼうっと見つめる。


通話ボタンを切って悠ちゃんがあたしの視線に気付いた。


「おはよう、葵」


優しく甘いキスが唇に落とされる。


うっとりとした思いでキスを受けながら。


裸の胸を揉まれる。


あたしの胸の先端の突起を指で弄られて甘い声を洩らす。


「やっ……悠ちゃん……っ」


「また、葵が欲しくなってきた……」


言いながら悠ちゃんの大きめで堅いモノが後ろからあたしの中に入ろうと先端だけ抜き差ししている。


「やぁっ……昨日あんなにしたのにっ……んっ!」




あのあと、結局あたしは悠ちゃんに抱かれてしまった。



部屋の灯りを消す前に確認するように悠ちゃんに念を押された。



『この部屋の電気を消した瞬間、俺はもう、止まらなくなる。
お前を自分のモノにしてしまったらもう逃がさない、お前を家にも返さない。
ずっとお前を傍で守ると誓う。
この意味がちゃんと分かってるかい?』




あたしは泣きながらもしっかりと頷いた。




『柊斗や海斗、明にも学校でしか会えなくなる。
俺は嫉妬深いからそれだけでも嫌なんだけど、それでもいいのか?』




それでも。




本当にいいと思えた……。




柊斗が好きだと思っていた。




だけど体を重ねる度に分からなくなっていた。




自分の気持ちが分からなくて中途半端でふらふらしてしまって。



そんな自分が嫌で。



しっかりと捕まえて欲しい……。



悠ちゃんに。




優しい温もりに包まれて甘えたい。



しっかりと離さないで欲しい……。

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