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キョウダイ

第8章 意地悪な彼氏





顔を上げて抗議して、すぐに後悔する。




しまったっ。




重ねられる唇。




また、両手をしっかり掴まれて。



鞄も落とすし。



唇を押さえつけるように、逃げられないように、顔を背けても、角度を変えてキスされる。



なぜだか、柊斗を思いだした。



こんな、キスをされた。




その瞬間、あたしは右足を明の足に向けて繰り出す。



ドスっ、という感触。



決まったっ。




うめき声と共に明の顔が離れる。




「明のばかっ!」



唇を押さえて、鞄を持って、逃げるように家に入った。

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