生徒会長の苦悩―初めてを貴方に
第1章 満たされない
窓の外は夜に染まり、頼りない街灯がぼんやりと白い。
もう十一月だもんな―――夏ならまだ全然明るかったのに。
生徒会室でコの字型に並べられた長机を囲む四人は、皆面倒くさそうな様子を隠さなかった。
「――六つ目の質疑についての回答ですが…」
私は早く帰りたそうな皆と自分の為にさっさと司会を進める。
生徒会長なんかならなきゃよかった。
そう思うことも少なくないが、やっぱり皆のこの様子を見ていると―――やっぱり私が立候補してよかったと改めて思う。
他の人がダラダラ進めてイライラするよりは、自分がサクサク仕切っていった方がマシだ。
まぁ、他の人は私にイライラしているのかも知れないが。